近年働き方が重要視されており、「週休3日制」「時短勤務」など柔軟な働き方ができる歯科医院も増えてきました。中でも週休3日制は休みが多いことから気になる方もいるでしょう。ここでは週休3日制ではどのような働き方ができるのか、週休3日制の歯科医院で働くメリット・デメリットについてご紹介します。
週休3日制とは
週休3日制とは、その名の通り1週間のうち休日が3日間、勤務日が4日間とする制度です。
年間休日150日程度になることが多く、これは平均よりも1ヶ月以上休みが多いことになります。
(労働者1人当たりの年間休日の平均114.7日 参照:厚生労働省|平成31年就労条件総合調査)
ただ「週休3日制」と「完全週休3日制」では大きな違いがあります。
- 週休3日制:1ヶ月に1回以上、週3日以上の休日がある
- 完全週休3日制:毎週必ず週3日の休日がある
つまり週休3日制は毎週3日間の休みがあるとは限りません。
また歯科医院側もこれらの意味を混同していることがあるため、面接などでしっかり確認しておきましょう。
週休3日制の働き方
以下は週休3日制の働き方の例です。
週休3日制を導入している歯科医院には、休診日が固定されている歯科医院と、希望の休みを提出してシフトを組む歯科医院があります。
前者では水・土・日が固定休みになることが多く、後者では日曜日に加えて平日2日間休みになることが多いです。
なお一般的な週休2日制では、休診日に加えて日曜日が休みになる場合が多いため、土曜日は出勤日で休めないといったことがあります。
それに対して週休3日制では、日曜日に加えて平日2日間が休みになるため、土曜日も休みやすい傾向にあります。
土日がしっかり休めるようになると、友人との時間を確保できたり子育てと両立したりすることができるでしょう。
週休3日制の歯科医院で働くメリット
年間休日が多いだけでもメリットと言えますが、以下のようなことも挙げられます。
①疲れが溜まりにくい
歯科医院では休憩時間の長いところが多く、結果的に拘束時間は長くなりがちです。
同じ環境に長くいるとストレスや疲れも溜まりやすいと言えます。
しかし週休3日制では連休を取りやすかったり、シフトによっては疲れを感じても翌日が休みになることが多くなります。
このことからモチベーションが上がりやすく、疲れやストレスも溜まりにくい傾向にあります。
心身ともに健康的な生活を送ることが可能になるのは最大のメリットと言えるでしょう。
②プライベートの時間を楽しむことができる
例えばシフト制の場合、3日連続で休みを取得できると旅行や帰省をしやすいです。
また趣味に充てる時間も増えるため、仕事に対するモチベーションを保つことができます。
③家族との時間を増やすことができる
特に子育てをしてる場合は、子どもの行事で有給休暇を取得しなければならないことが多いです。
ただ歯科医院によっては、有給休暇を取りにくかったり休みにくかったりすることも。
週休3日制ではシフト制であることも多いため、スケジュールを立てやすく子育てをしている方にとって働きやすい環境であると言えるでしょう。
週休3日制の歯科医院で働くデメリット
年間休日が多い歯科医院ではメリットが多く感じられますが、以下のようなデメリットもあります。
①労働時間の長い可能性がある
労働時間は労働基準法によって「1日8時間・週40時間勤務」と定められています。
しかし年間休日が多い歯科医院や週休3日制の場合、1日の労働時間を増やして働く日数を減らしているところも少なくありません。
例えば「1日10時間・週40時間勤務」になることも。
この場合休憩時間が2時間ある歯科医院では、9時出勤・21時退勤になることがあり、拘束時間も長くなるでしょう。
②祝日の振替診療を行う可能性がある
祝日の振替診療とは、診療日が祝日で休診になった場合、本来は休診日である曜日に診療を行うことです。
例えば本来の休診日が水・土・日の歯科医院において、ある週の月曜日が祝日で休診になったとします。
この場合、その週は本来の休診日である水曜日に振替診療を行うことが多いです。
つまりその週は火~金まで4連勤となり、労働時間が長い場合は疲労が溜まりやすくなる可能性があります。
③給与が安くなる可能性がある
週休3日制の導入方法によっては、労働時間が週40時間に満たないことから給与が安くなる可能性があります。
また「週休2日制」と「週休3日制」を選ぶことができる「選択制週休3日制」の導入しているところでは、前者を選択すると通常の給与額をもらうことができますが、後者を選択すると給与が通常よりも3~4万円程低くなることもあります。
ただ給料が減る代わりに副業を認める歯科医院もあります。
週休3日制の歯科医院を探すときの注意点
週休3日制の歯科医院を探す際には、以下のような注意点があります。
週休3日制が有給休暇と絡んでいないか
まず確認すべきは、週休3日制が有給休暇と絡んでいないかどうかです。
1年目で取得できる有給休暇は年間10日間です。
求人情報に「週休3日制」と記載されていても、「有給を取得すると週休3日にすることも可能」といったケースも珍しくありません。
これは応募者数を増やしたいために嘘をついている可能性も。
本来は年間休日数に有給休暇は含まれるものではないため、入職後もトラブルの起きる可能性が高く注意が必要です。
「週休3日制」か「完全週休3日制」か
先ほど解説した通り、週休3日制は毎週3日休みになるとは限りません。
休みを重視した転職活動を行う際は、年間休日数を確認したり、完全週休3日制の歯科医院を選ぶと良いでしょう。
また歯科医院全体でキャリアアップを目指しているところでは、研修やセミナーへ参加してもらうために週休3日制を導入している場合もあります。
そのため休みの日は研修やセミナーに参加することが条件といったところもあります。
入職直後から週休3日制になるのか
求人情報には週休3日制と記載されていても、勤務してから2~3年経たないと適用されないということもあります。
これは新卒や入職直後は即戦力にならないといった考え方があったり、好待遇の代わりにレベルの高い人材を求めていたりする可能性があります。
そのため求人情報で週休3日制と記載されていても、面接時に必ず確認することをおすすめします。
まとめ
週休3日制ではメリットが多いですが、少なからずデメリットもあります。ただライフスタイルに合った働き方ができやすいため、モチベーションを保ちながら働くことが可能です。メリット・デメリットを理解したうえで、歯科衛生士としての理想の働き方を考えてみるのも良いでしょう。