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歯科衛生士の給料はいくら?それぞれ勤務先別・地域別の年収も公開

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「歯科衛生士の給料は安い」

「歯科衛生士は稼げない」

このような話しを耳にしたことはありませんか?医療系の専門職として人気が高い歯科衛生士ですが、実際に歯科衛生士の年収・給料は平均よりも低いのでしょうか

ここでは歯科衛生士の気になる年収・給料事情を紹介していきます。

これから歯科衛生士を目指す人、すでに歯科衛生士として仕事をしている人は今後の働き方の参考にしていただけたら幸いです。

【歯科衛生士の統計データ】

・就業者:106,890人

・賃金(年収):386.7万円

・求人賃金(月額):23.8万円

・労働時間:165時間

・年齢:34.9歳

※参照:厚生労働省『職業情報提供サイトjobtag』

歯科衛生士の平均年収は386.7万円。国税局の調査によると給与所得者の平均給与は433万円であることから、歯科衛生士は平均以下の年収なのか?と思う人もいるかもしれません。

しかし、433万円は男女合わせた平均給与のため圧倒的に女性が多い歯科衛生士と比較するには男女別の平均給与を参考にしてみたいと思います。

【平均給与(令和2年分)】

男性:532万円 女性:293万円

※参照:国税局『令和2年分 民間給与実態統計調査』

国税局の調査によると女性の平均給与は293万円。平均年収386.7万円の歯科衛生士は女性の平均年収としては平均以上であり、景気に影響されにくい職種のため安定した収入が見込める仕事です。

給与所得者の平均給与と比べると低いですが、女性の平均年収よりも高い。歯科衛生士の年収・給料が低いと感じるかどうかは人それぞれの捉え方次第といったところでしょうか。

歯科衛生士の本音|年収の満足度は?

では、実際に歯科衛生士として働いている人達の年収・給料に対する本音を見てみましょう。

※引用:日本歯科衛生士会『歯科衛生士の勤務実態調査(令和2年3月)』

日本歯科衛生士会が発表した「歯科衛生士としての年収の満足度」調査では、全体の約4割が満足・ある程度満足と答えています。

一方で、不満・非常に不満と答えた人が全体の約3割と年収に関して何らかの不満を抱えている人も少なくはありません。

歯科衛生士の9割は診療所(歯科医院・歯科クリニック)に勤務していると言われており、勤務先となる診療所によって賞与や手当・福利厚生といった待遇面に大きな違いが出てしまうこともあります。

仕事を探しているときはどうしても給料に目がいってしまいますが、給料だけでなく各種手当や退職金の有無、各種社会保険の有無なども細かく確認しておくこと、診療所の規模や歯科衛生士の人数、保険診療が主なのか自由診療に力を入れているのか?など、それぞれの診療所の特徴を捉えておくことが大切です。

歯科衛生士でも年収500万円以上は可能!?

歯科衛生士の平均年収は386.7万円ですが、「年収500万円以上欲しい!」と思っている人は歯科衛生士の勤務先に着目してみましょう。

歯科衛生士の勤務先は診療所(歯科医院・歯科クリニック)が一般的ですが、その他にも病院や介護保険施設等をはじめ様々な職場があります。歯科衛生士の年収は勤務先によって違いがあるため“給与・年収”を就職先選びのポイントにしている人は以下の調査も参考にしてみましょう。

【勤務先別】歯科衛生士の年収分布

※引用:日本歯科衛生士会『歯科衛生士の勤務実態調査(令和2年3月)』

まず、歯科衛生士(常勤)全体の年収割合は以下の通りです。

・「130万円未満」 0.7%

・「130万円以上 300万円未満」31.3%

・「300万円以上 400万円未満」35.3%

・「400万円以上 500万円未満」16.6%

・「500万円以上 600万円未満」 6.5%

・「600万円以上 700万円未満」 3.6%

・「700万円以上 800万円未満」 2.2%

・「800万円以上 900万円未満」 0.9%

・「900万円以上 1,000万円未満」0.1%

常勤で働く年収500万円以上の歯科衛生士は13.3%と少なめであることが分かります。

勤務先別で見てみると、歯科衛生士の勤務先として最もポピュラーな診療所は「130万円以上300万円未満」が若干ですが一番多い結果に。

平均年収と同程度の「300万円以上400万円未満」の年収が病院・大学病院や介護保険施設等をはじめ多くの勤務先で最も多い傾向にありますが、

・歯科衛生士教育養成機関

・企業・事業所

・研究機関

これらの勤務先は年収400万円以上の割合が多いことが特徴的です。

歯科衛生士として働くには狭き門となりますが、高年収を目指したい人はこれらの勤務先に注目してみてはいかがでしょうか。

【年齢別】歯科衛生士の年収

どのような職業でも年齢が高くなるにつれ、業務経験を積み重ねていけるため年収も上がっていく傾向にあります。歯科衛生士も例外ではありません。

厚生労働省が発表している「令和3年賃金構造基本統計調査」から、歯科衛生士年齢別の平均年収を見てみましょう。

歯科衛生士|年齢別平均年収(女性)

・20~24歳:321万4,600円

・25~29歳:377万9,100円

・30~34歳:356万9,900円

・35~39歳:394万1,700円

・40~44歳:417万6,600円

・45~49歳:433万5,500円

50~54歳:500万1,200円

・55~59歳:459万8,800円

・60~64歳:455万2,400円

※出典:厚生労働省『令和3年賃金構造基本統計調査』

このように歯科衛生士の平均年収は50~54歳が最も高く、業務経験の長さが年収に比例しており女性が長く安定して働きやすい職場であることが窺えます。

【地域別】歯科衛生士の年収

歯科医院や歯科クリニックといった診療所は日本全国どこにでもあり、その数67,000施設以上と言われています。

勤務する地域によって給料水準に差が出てくるため、都道府県別の平均年収をまとめました。

あくまでも目安ですが、あなたの住んでいる地域の平均年収は歯科衛生士の平均年収386.7万円よりも低いのか?高いのか?チェックしてみてください。

歯科衛生士|都道府県別平均年収

北海道 395.7万円

青森県 273.3万円

岩手県 422.4万円

宮城県 328.6万円

秋田県 327.6万円

山形県 347.3万円

福島県 376.1万円

茨城県 350.8万円

栃木県 389万円

群馬県 294.6万円

埼玉県 378.9万円

千葉県 385.4万円

東京都 407万円

神奈川県 444.3万円

新潟県 300.4万円

富山県 395.9万円

石川県 276.5万円

福井県 394.2万円

山梨県 319.5万円

長野県 308.5万円

岐阜県 353.7万円

静岡県 367.5万円

愛知県 424.3万円

三重県 374.3万円

滋賀県 555.2万円

京都府 394.2万円

大阪府 351.6万円

兵庫県 381.5万円

奈良県 334.5万円

和歌山県 293.7万円

鳥取県 383万円

島根県 333.3万円

岡山県 442万円

広島県 462.4万円

山口県 529.3万円

徳島県 460.9万円

香川県 406.4万円

愛媛県 417.9万円

高知県 339.6万円

福岡県 356.2万円

佐賀県 190.3万円

長崎県 453.6万円

熊本県 365.7万円

大分県 314.3万円

宮崎県 377.4万円

鹿児島県 366.8万円

沖縄県 279.5万円

※出典:厚生労働省『令和3年賃金構造基本統計調査』

【歯科衛生士平均年収TOP5】

1位 滋賀県 555.2万円(平均年齢:29.5歳、月額:21.9 ~ 27.9万円)

2位 山口県 529.3万円(平均年齢:52.1歳、月額:20.8 ~ 25.8万円)

3位 広島県 462.4万円(平均年齢:36.2歳、月額:21 ~ 26.5万円)

4位 徳島県 460.9万円(平均年齢:57歳、月額:18.5 ~ 23.5万円)

5位 長崎県 453.6万円(平均年齢:55.1歳、月額:20.1 ~ 23.9万円)

東京都や大阪府などを含む大都市圏が上位に入ると思いましたが、少々意外な結果となりました。

月額に関しては平均年収TOP5の都道府県よりも東京都の方が「月額:24.9 ~ 32万円」と高めなので賞与の金額が年収に影響していること、平均年齢が上がるにつれて平均年収が高くなる、都道府県ごとに就業者数の違いが大きいため歯科衛生士が不足している都道府県ほど給料が高くなる傾向が考えられます。

都道府県別の平均年収は一つの目安として参考程度に捉えておきましょう。

歯科衛生士と他職種(医療・福祉分野)との年収比較

歯科衛生士の年収を【勤務先別】【年齢別】【地域別】と見てきましたが、最後に医療・福祉分野に属する他職種と歯科衛生士の年収を比較してみたいと思います。

医療・福祉分野職種の平均年収(男女計)

医師:約1,378万円

歯科医師:約787万円

薬剤師:約580万円

助産師:約553万円

看護師:約498万円

保健師:約480万円

歯科技工士:約427万円

理学療法士など:約426万円

ケアマネジャー:約409万円

准看護師:約406万円

歯科衛生士:約386万円

訪問介護:約364万円

介護職員:約352万円

※出典:厚生労働省『令和3年賃金構造基本統計調査』

主な医療・福祉系の他職種と比較すると歯科衛生士の平均年収はやや低めの印象を受けるかもしれません。

しかし、歯科衛生士は看護師や介護職員よりも体力的な負担が少ない仕事であることも考えると平均年収うんぬんよりも働きやすさに着目してみてはいかがでしょうか。

歯科衛生士のメリット・デメリット

ここまで歯科衛生士の年収について紹介してきましたが、これらの内容も踏まえた上で歯科衛生士のメリット・デメリットをそれぞれ挙げていきたいと思います。

メリット

・年齢を問わず長く働くことができる

・ブランクがあっても復職しやすい

・日本全国に歯科医院などの職場があるため求人が多く選択肢が豊富

・感謝してもらえる仕事

デメリット

・医療系職種の中では年収が低め

・歯科医院などは小規模な施設が多いため職場の人間関係に悩むことも多い

・福利厚生が充実していない施設も多い

歯科衛生士としてどのような働き方を目指しているのかによって感じ方は異なると思います。

女性の場合、結婚や出産・子育てにより仕事を辞める人が多くいます。子育てが落ち着いてきた30代後半から40代の頃に復職を考えたとき歯科衛生士の資格があることは大きな強みになるでしょう。

正社員ではなくパートとして歯科衛生士に復職した場合でも一般的なパート時給よりも歯科衛生士は高額のため短時間でも効率良く稼げる仕事です。

目先のことだけでなく長い目で見て考えることも大切です。

【まとめ】歯科衛生士は将来性のある安定した仕事

高齢化社会の日本では健康寿命を延ばすために口腔ケアの需要が高まっています。そこで活躍するのが歯科衛生士です。

只でさえ歯科衛生士が不足しており歯科医院からの需要が高く、高齢化社会でも活躍できる歯科衛生士は将来性があります。

最近では「AI(人工知能)の普及でAIに奪われる仕事」が取り沙汰されることがありますが、歯科衛生士の仕事は患者さんとのコミュニケーションも大事な仕事なのでAIに奪われる心配のない職種の一つだと思います。

歯科衛生士は女性でもライフスタイルの変化に合わせながら安定した仕事を何十年も続けていける素敵な職業です。

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